8月4日(金)公開初日の舞台挨拶が新宿ピカデリーにて行われ、黄前久美子役・黒沢ともよさん、加藤葉月役・朝井彩加さん、川島緑輝役・豊田萌絵さん、高坂麗奈役・安済知佳さん、塚本秀一役・石谷春貴さん、釜屋つばめ役・大橋彩香さん、そして石原立也監督が登壇し、本編の上映を観終わったばかりの観客を前に和気あいあいとしたトークを繰り広げました。
この「特別編」の上映では各劇場でMC担当が替わるとのことで、初日の新宿ピカデリーにおいては石谷さんがMCを務めることに。まず、「劇場版 響け!ユーフォニアム~誓いのフィナーレ~」(2019年公開)から4年たっての新作ということに対する率直な感想を求めると、豊田さんが「舞台挨拶は久しぶりだったから、後ろで待っているときも『この感じ懐かしいね』という話をしていました」と一言。2015年のTVアニメ第1期から共演しているメンバーの仲のよさは今も変わらない様子です。
そんななかで、とても緊張していたというのが今回初参加となった大橋さん。「めちゃめちゃ仲よしでびっくりしました! 積み上げてきた歴史があるんだなと感じました」と、まさに率直な感想を話していました。また、大橋さんは完成した作品を見て「すごく感動しましたし、キャストの一員になれたことがうれしい」と感じられたそうです。
安済さんは「久しぶりに大きなスクリーンと素晴らしい音響で浴びる『響け!ユーフォニアム』は格別だなと感じました」と語り、つばめが担当するマリンバを印象的に見せるカットがあり、「(カメラが)マリンバの中をくぐっているかのようなカットは、アトラクションみを感じて圧巻でした」と、独特な言い回しで感動を表現していました。
安済さんから逆に話を振られた石谷さんは「久々の収録で、演奏が聴こえてきた瞬間『懐かしい~!』という感じになりまして、それをまた劇場で見たときに『ああ、いい作品だなあ』と改めて思うことができたので、たぶん皆さんと思っていることは同じです」とコメント。
続けて、「キャラクターを演じるうえで大事にしたこと、変わったことは?」という質問を黒沢さんに投げかけると、黒沢さんは「久美子が(吹奏楽部の)部長になって、上級生がいないという状況が初めて。下級生に対する対応とか、同級生でも初めて話す人との会話が多かったから、意図せず変わっていった語調はあるなと思いました」と答えます。
同じ質問で朝井さんから「全体的に等身を上げようという話があった」、豊田さんから「1回リセットする感覚に近かった」という話が出て、さらに朝井さんは「全体的に上がるから、滝先生もめっちゃ渋いんですよ」と続けます。
すると、滝先生に想いを寄せる麗奈を演じる安済さんが「そうなの!!」と反応し、興奮気味に滝先生の萌えポイントを語りました。
こういったキャラクターの変化について、石原監督からは「僕はむしろ、雰囲気はなるべく変えないようにしようかなというのがありました」という発言が飛び出します。黒沢さんから「1期の前半話数にあった、ぴょこっとした動きとかが復活した感じがありました」と言われても、それも監督の中では自覚がなかったとのことでした。
ちなみに、SNSをチェックして「シリーズ中で一番さわやかだった」という感想を目にした監督は「重たすぎる展開がなかったから」と理由を分析。これにはキャスト陣もみんな納得の表情を見せていました。
「今回は楽しい話なので、キャラクターの芝居も若干弾みがちな気がします」と、監督は本編を振り返ります。また、今回の「特別編」で初めてスポットライトが当たるキャラクター・釜屋つばめについて「自分と似ているなと、ずっと思っていました」と言う大橋さん。
黒沢さんと普段から仲よしという大橋さんは、久美子がつばめに語りかけるセリフを聴きながら「もちろん釜屋つばめとして演じているんですけど、自分にも響くものがたくさんありました」と感じていたとのこと。
朝井さんからは「アフレコが二日に分かれていて、まだつばめちゃんのお芝居を聴いていない初日に『いや、似てる』って(黒沢さんが)ずっと言ってた」という証言もあり、二人の絆の強さもうかがえました。
まだまだ話が尽きないなか、MC石谷さんの合図でスクリーンには本編のラストで流れた特別映像が再び上映され、続けてTVアニメ「響け!ユーフォニアム3」のキービジュアルと2024年4月放送開始という情報が世界最速で公開されます。会場のお客さんたちからは盛大な拍手が巻き起こり、もちろんキャスト陣も大喜び。キービジュアル内に書かれた久美子のセリフと思しきキャッチコピーを「あれ読んで!」とせがまれた黒沢さんが、その場で「私、北宇治が好き」と読み上げる一幕もありました。
石原監督からは「3」について、ゲームにたとえた「ラスボスも自分と同じ装備と能力を持っていて、なおかつちょっと強いという展開も」という発言があり、黒沢さんが少し心配そうな表情を浮かべたりもしましたが、「3」への期待は膨らむばかり。
最後は登壇者を代表して、「新たに発表された3期に向かって走り出すことができて、皆さんに見守っていただけるのがとてもうれしいです」(黒沢さん)、「変わらず皆さんに応援していただけて、そのおかげで今回の『特別編』も作ることができましたし、来年の『3』も作ることができます。これからもどうか応援よろしくお願いします」(石原監督)というメッセージで締めくくられました。
なお、舞台挨拶終了後のフォトセッションには作中に登場するマスコットキャラクター・チューバくんも応援に駆けつけてくれました。写真撮影に参加した時間はごくわずか。「ここからは登壇者のみで」というカメラマンの指示で画角から外れ、ポツンとひとり佇む姿はどことなく哀愁がありました。そんなチューバくんの活躍(?)もあり、フォトセッションも笑顔で終了。この後も続く上映に向けて、好調なスタートを切りました。